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2011.05.10 ◇interview vol.1◇ 柳沼昭徳(烏丸ストロークロック)

京都をはじめとする若手演劇人が集い「良質な現代劇」にまじめに挑む―

京都舞台芸術協会の初プロデュース公演で演出を務める柳沼昭徳さん(烏丸ストロークロック)
稽古が始まったばかりの4月中旬、今回の作品について、その意気込みを伺いました。
―まず、柳沼さんへの演出オファーが来た経緯について教えてもらえますか?
去年の6月に、協会の副理事長で、今回の企画でもある田辺さんから電話がありまして、そこで「京都の作家で京都の演出家でプロデュース公演をしたいんだけど、やってみないか」と言われました。しかも京都舞台芸術協会がプロデュースをするという。僕自身、烏丸ストロークロックで会員だった時期もあるし、理事をやらせてもらったこともあったんだけど、協会がプロデュースしてなにか作品を作るっていうことは、今までしたことがなかったから、そういう活動を今年はするのかって思って。やっぱり作り手が集まっている集団だから、これは「もう一回作品を作るっていうところから始めよう」っていう原点回帰の動きなのかなぁって、そこに僕は意義を感じてやらせてもらうことにしました。

―今回、演出のみ担当するというのは、あまりされたことがないと思うのですが。
そうですね、今までしたことがないですね。

―では、山岡徳貴子さんの『異邦人』を演出したいって思ったきっかけはなんですか?
最初、誰かの台本でって言われたときに、「あ、山岡さんかな」っていうのは一番最初からあったんですが、いろんな方が京都で活動されているので、ひとまず一通り読ませて頂きました。で、「やっぱり山岡さんがいいな」って戻ってきて(笑)
自分と山岡さんの作品性って違うといえば違うんですけど、人を見ている部分が通ずるというか。「山岡さんってこういうところ見てるんだな」っていうのがすごくわかるんですね。人の良いところとか嫌な部分とか、目線によっていろいろあるじゃないですか。そういうものに共感を覚える、非常にいいなって思います。
あと、僕は「人と人がいて、そこで起こる摩擦が空間全体の熱につながっていって魅力的な空間になる」っていうのが1つのお芝居を作る上での重要な要素と思っているので、そういう意味では山岡さんも同じところをみているのかなって。違和感なく読めるし、作品に対して思いをはせることができるっていうね。

―実は初演を見てらっしゃるんですよね?
そうです。お客さんはものすごく少なかったんですけど作品はものすごくよかったって記憶しています。作品を見てから今に至るまで感想に枝葉がついてしまっているかもしれないですけど、数年たってもなお色あせない。時代が変化したからって早々揺るがない良い作品だなぁって。

―次に演出についてお伺いしたいのですが、今回音楽であったり演出補であったりと通常の公演より多くのスタッフが作品に関わっていらっしゃいますね。その辺りの効果はどう考えていらっしゃいますか?
効果が飾りになるっていうのではいけなくて。なにかプラスしたっていう感じじゃなくて、それぞれがその空間を構成する一部として必要であるって思っています。言葉は言葉でしかないから、言葉の向こう側を説明することってできないじゃないですか。人間には感覚が5つあって、その中の「感じる」「察する」っていう要素をこのお芝居の第二・第三の言語としていきたいと考えています。台詞の美しさとか、語感の美しさでみせるというものじゃなくって空間全体でみせるお芝居にしたいので。
台本も、実は会話はしているんだけども確信になかなか触れないっていうか確信を言わないんですよ。だからその確信の部分にお客さんが想像を巡らせたり、想いを馳せたりすることができるように、他の効果を存在させておきたいなって思いますね。

―今回のキャストはオーディションで選ばれたそうですが、なにか共通して選ぶ基準になったことはありますか?
自分自身で考えられる俳優さんであるということ、演出の言われるがままに動くっていうタイプじゃない人たちであるということ、それがまず第一と、もう1つはある程度の社会経験を持っているっていうことですね。俳優といえど人間を演じるわけだから、ずっと俳優しかやってないって言う人と、一度なにか社会的な責任を負ったことがある人というのはあきらかに違う部分があって、そういう人を選びました。
ただ一人例外はいて、田中君は別の意味で出演してもらってるんですけどね(笑)やはりフリーターをやりながらお芝居やっているっていう人は多いんです。そういう社会的責任を負ってない、負う必要がないという所でお芝居やっている人がいるというのは事実で。そういう人に、ちょっと偉そうですけど経験を踏んでほしいなって。「京都舞台芸術協会プロデュース」ってそんなに気にしてなくても少々のプレッシャーを感じるじゃないですか、少なからず。そういうプレッシャーを感じてお芝居をやるっていうことと、お芝居をやることで誰かに対して影響を及ぼさなければならないという責任を負って成長してもらおうということがあります。
そして今後演劇をやめないっていう人ですね。自分で道を切り開いていくであろう人。イコール根性があるっていう人達を選びました。

―たしかに稽古場を見ていてもみなさんストイックに稽古にのめりこんでいらっしゃいますよね。文字通りベストメンバーだなと。
そうですね、やっぱり俳優さんとしては僕も尊敬できる人たちを多く集めていますので、この人たちをどれだけ生かせるかなっていうことを考えるのが一番楽しいですね。もっともっと、この人が自覚していない魅力があるんじゃないかなって稽古しています。

―では、最後に意気込みをお願いします。
このプロデュース公演というのは、とにかくどれだけいい作品を作るかっていうことにかかってくると思います。ただ、今まで全然環境の違う人達が一同に介して作品をつくるっていうことを無視することはできなくて。だから、今まで自分の劇団でやるのとはまた違う良さが作品に出ればいいなと思います。そして、それぞれの想いが作品に反映されて、だれかに良い影響を与えればいいなと。
実際の作品はというと、そんなバリバリの前衛ではないし、僕は極論すれば別に新しいことはしないつもりでいるんです。ただ、自分たちにできることを当たり前にやるっていうことと、作法の違う僕らが集まってどこに共通言語があるんだろうっていうことを探る場所にしたいです。そして、今までの自分たちの活動を振り返って、今後の活動につなげていけるようなものにしたいと思っています。
なので、僕はプロデュース公演というものが自分の中にも、みんなの中にも、ひとつの歩んできた道のりのなかで鋲を打つようなものにしたいですね。

―ありがとうございました。

2011年4月21日@京都 三条河原町
聞き手:川那辺香乃(トリコ・A)

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